大人の塗り絵本を買ったものの、家にあった子ども用の12色で塗り始めて「思ったより楽しくない」と挫折してしまう人は少なくありません。大人の塗り絵の楽しさの核は、色を何層にも重ねる「重ね塗り」と、色が自然に移り変わる「グラデーション」にあります。ところが硬い芯の少ない色数では、色が重ならず、途中の色も作れないため、塗りつぶし作業になりがちです。芯の柔らかさと色数が変わるだけで、同じ塗り絵本でも体験はまったく別物になるとされています。この記事では、色鉛筆のタイプ別の違いと、最初の1セットの選び方を整理します。
結論:どれを選ぶべき?
- とにかく最初の1セットで失敗したくない → 油性・ソフト芯の36色前後のセット
- 細かい柄やマンダラ系を主に塗る → 油性・ハード芯寄り、または細く削れるタイプ
- 風景や花を水彩画のように仕上げたい → 水彩色鉛筆の24色前後+水筆
- すでに基本セットがあり、肌色や中間色が足りない → 単色の買い足しで補う
【比較表】色鉛筆のタイプ別ひと目でわかる違い
| タイプ | 特徴の傾向 | 向く塗り方 | 価格帯の傾向 |
|---|---|---|---|
| 油性・ソフト芯 | 芯が柔らかく発色が濃い。色が乗りやすく重ねやすい | 重ね塗り・混色・グラデーション | 中〜高め。1本あたりの単価が上がりやすい |
| 油性・ハード芯 | 芯が硬めで折れにくく、細く削れる | 細部・輪郭・細かい模様 | 手頃〜中。子ども用に近い価格帯もある |
| 水彩色鉛筆 | 水を含ませた筆でぼかせる。乾くと定着する | 水彩風のにじみ・淡い背景 | 中程度。水筆や厚めの紙が別途必要 |
| セット本数(24・36・72) | 本数が多いほど中間色が揃い混色の手間が減る | 24=入門、36=多くの塗り絵に対応、72=色作りの悩みが減る | 本数に比例して上がる。36色がバランス点とされる |
| 単色買い足し | 使い切った色や不足色だけ補える | 肌色・グレー・くすみ系の中間色の補充 | 1本数百円前後。セットより1本単価は高め |
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それぞれの特徴
ソフト芯が大人の塗り絵向きとされる理由
大人の塗り絵で最も多く使う技法は、薄く何回も重ねて色を深めていく重ね塗りと、隣り合う色を混ぜてつなぐ混色です。ソフト芯は顔料が紙に乗りやすく、軽い筆圧でも色がしっかり付くため、力を入れずに何層も重ねられます。ハード芯は一度に乗る顔料が少なく、重ねても色が深まりにくいので、塗りつぶしの作業感が出やすいとされています。ただしソフト芯は芯が折れやすく、削る頻度も高いため、細部を塗る場面ではハード芯との併用が現実的です。
本数は36色前後から、中間色は単色で足す
24色は入門には十分ですが、肌の色や淡いグレー、くすんだ緑といった中間色が足りず、混色で作る手間が増えがちです。36色前後になると多くの塗り絵本に対応でき、72色以上は色作りに悩む時間がぐっと減る一方、使わない色も増えます。一般的には36色前後のセットから始め、よく使う色や不足を感じた中間色を単色で買い足す方法が無駄が少ないとされています。単色販売があるシリーズを選ぶと、後からの補充がしやすくなります。
あると変わる小物:シャープナー・ブレンダー・練り消し
色鉛筆の芯は普通の鉛筆より柔らかく、一般的な鉛筆削りだと芯が折れたり削りすぎたりしがちです。色鉛筆用のシャープナーは刃の角度が緩やかで、芯を長く均一に出せるとされています。ブレンダー(無色の色鉛筆)は重ねた色の境目をなじませ、紙の白い粒を埋めてグラデーションを滑らかにする道具です。練り消しは色鉛筆の色を軽く抜いてハイライトを作ったり、濃く塗りすぎた部分を調整したりできます。どれも数百円から千円台で揃えられるものが多く、仕上がりの差が出やすい小物です。
タイプ別おすすめ
油性・ソフト芯セット(最初の1セット)
水彩色鉛筆・細部用
小物・塗り絵本
シーン別の使い分け
- 初めての大人の塗り絵:油性ソフト芯の36色前後を1セット。塗り方の基本(薄く重ねる)を覚えるまでは道具を増やしすぎないほうが続きやすいとされます。
- 細かい柄が多い本:ハード芯寄りの色鉛筆、または芯を細く削れるシャープナーを併用。ソフト芯だけだと線が太くなり、はみ出しが増えがちです。
- 風景・花のグラデーション:色数の多いセットかブレンダーを活用。隣の色を並べて重ね、境目をなじませると立体感が出ます。
- 水彩風にしたい:水彩色鉛筆+水筆+厚めの紙。塗り絵本の紙が薄い場合は、コピーして厚手の水彩紙に塗る方法もあります。
- 持ち歩いてカフェで:12〜24色を選んで小さなペンケースに移し、携帯用シャープナーと一緒に。削りくずが出るので、ケース付きが安心です。
- 子どもと一緒に(共用の注意):ソフト芯は強い筆圧で折れやすく、削る頻度も増えます。子ども用と大人用を分けるか、共用なら折れにくいハード芯寄りにすると消耗を抑えられます。
👍 メリット
- 芯の柔らかさと色数を見直すだけで、同じ塗り絵本でも重ね塗りやグラデーションの楽しさが大きく変わる
- 36色前後から始めて単色で足す方式なら、使わない色にお金をかけずに必要な色を揃えられる
- 水彩色鉛筆やブレンダーなど、追加の道具で表現の幅を段階的に広げられる
- セットと塗り絵本、シャープナーを合わせても比較的手頃に始められる趣味である
👎 デメリット
- ソフト芯は折れやすく削る頻度が高いため、消耗と手間を感じることがある
- 色数が増えると保管や持ち運びの場所を取り、色選びに迷う時間も増える
- 水彩色鉛筆は紙質の影響を受けやすく、薄い紙の塗り絵本では波打ちや裏抜けが起こりやすい
- 同じシリーズで単色販売がないと、使い切った色の補充がしにくい
まとめ
- 大人の塗り絵は重ね塗りと混色が楽しさの核なので、芯の柔らかい油性ソフト芯が入門の基本とされる
- 色数は36色前後から始め、肌色や中間色は単色で買い足すと無駄が少ない
- 細かい柄にはハード芯、水彩風には水彩色鉛筆と厚めの紙を組み合わせる
- 色鉛筆用シャープナー・ブレンダー・練り消しの小物で仕上がりが目に見えて変わる
塗り絵本そのものの選び方や紙質のチェックポイントは大人の塗り絵の選び方で詳しくまとめています。塗り絵以外にも、静かに集中できる室内趣味を探しているなら秋の夜長の趣味ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問
- 100均の色鉛筆でも大人の塗り絵はできる?
- できますが、芯が硬めで顔料が少ない傾向があり、重ね塗りをしても色が深まりにくく、発色が薄く感じやすいとされます。塗りつぶしや輪郭の練習には十分使えますが、「重ねて色を作る」楽しさを味わいたい場合は、油性ソフト芯のセットを一度試すと違いが分かりやすいでしょう。まず100均で始めて、続きそうならソフト芯に移行する流れも無理のない選び方です。
- 何色あれば足りる?
- 目安として、入門なら24色、多くの大人の塗り絵本に無理なく対応するなら36色前後、色作りに悩みたくないなら72色以上という考え方が一般的です。ただし色数より「よく使う色が揃っているか」が重要で、肌色・グレー・くすんだ緑などの中間色は少ないセットでは不足しがちです。36色前後から始めて、足りない色だけ単色で買い足すのがバランスの良い方法とされています。
- 油性と水彩、どっちを選ぶべき?
- 重ね塗りやグラデーションを色鉛筆らしいタッチで楽しみたいなら油性、背景をふんわりぼかしたり水彩画風の仕上がりにしたいなら水彩色鉛筆が向きます。水彩色鉛筆は乾いた状態でも普通に塗れますが、油性に比べて芯がやや硬めで発色も控えめな傾向があるとされます。最初の1セットは油性ソフト芯にし、水彩表現を試したくなったら少ない色数の水彩色鉛筆を追加する順番が一般的です。
- 紙がテカる・色がのらなくなる原因は?
- 主な原因は重ねすぎと紙質です。色鉛筆の顔料にはワックスや油分が含まれ、強い筆圧で何層も重ねると表面が飽和して光り、それ以上色が乗らなくなります。これはワックスブルームとも呼ばれます。対策は、筆圧を弱めて薄く重ねること、濃い色は後半に持ってくること、そして表面に凹凸があり顔料を受け止めやすい厚めの紙を選ぶことです。表面がつるつるした薄い紙は、少ない層で限界が来やすい傾向があります。
- 色鉛筆の削り方は?普通の鉛筆削りでもいい?
- 普通の鉛筆削りでも削れますが、色鉛筆の芯は柔らかく、刃の角度が急な削り器では芯が折れたり中で欠けたりしやすいとされます。色鉛筆用のシャープナーは刃の角度が緩やかで、芯を長く均一に出せるため折れにくく、細部を塗るときにも便利です。ソフト芯は特に折れやすいので、削るときは力を入れず、ゆっくり回すのがコツです。カッターで削る方法もありますが、慣れが必要なので専用シャープナーから始めるのが安心です。