読書が苦手な大人は、「薄くて短い本」「会話が多くテンポの良い本」「映像化されていて筋をつかみやすい本」のどれかから始めると挫折しにくくなります。 読み切れない原因は、集中力よりも、最初の1冊が長すぎる・登場人物が多すぎるといった「本選びのミスマッチ」にあることが少なくありません。区切って読める本や会話で進む本を選ぶだけで、読み切れる確率はぐっと上がります。この記事では、読みやすさに定評のある小説を3つのタイプに分けて8冊紹介します。あわせて、1日10分から始める習慣づくり、Kindleの文字サイズ変更、オーディオブックとの併用など、苦手意識を減らして読書を続けるための具体的なコツも厚めにまとめました。
結論:読書が苦手な大人が最初に選ぶならこの本
- とにかく1冊を最後まで読み切った経験がほしい → 『コンビニ人間』(村田沙耶香)。短めの分量で、読み始めると一気に進みやすい
- 細切れの時間で少しずつ読みたい → 『コーヒーが冷めないうちに』(川口俊和)。1話ごとに区切れて会話中心で進む
- 通勤電車やすきま時間に気軽に読みたい → 『阪急電車』(有川浩)。駅ごとに短い章が並び、テンポよく読める
- 映画やドラマのほうが好きで、まず筋をつかんでから読みたい → 『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)。映画化されていて入り口が多い
【早見表】読書が苦手な人向けのおすすめ本8冊
| 書名 | 著者 | 刊行年 | ジャンル | こんな時に |
|---|---|---|---|---|
| コンビニ人間 | 村田沙耶香 | 2016年 | 純文学(芥川賞受賞作) | 短い本を1冊読み切りたい |
| キッチン | 吉本ばなな | 1988年 | 短編集 | 1編ずつ区切って読みたい |
| 西の魔女が死んだ | 梨木香歩 | 1994年 | 成長小説 | やさしい文章で読書を再開したい |
| コーヒーが冷めないうちに | 川口俊和 | 2015年 | 連作短編・ファンタジー | 会話中心でさくさく読みたい |
| 阪急電車 | 有川浩 | 2008年 | 連作短編 | 通勤中のすきま時間に読みたい |
| 木曜日にはココアを | 青山美智子 | 2017年 | 連作短編 | 寝る前に1話ずつ読みたい |
| そして、バトンは渡された | 瀬尾まいこ | 2018年 | 家族小説(本屋大賞受賞作) | 映画から入りたい |
| 博士の愛した数式 | 小川洋子 | 2003年 | 長編小説(本屋大賞受賞作) | 映画と見比べたい |
👉 この記事のおすすめはこちら → タイプ別おすすめへジャンプ
選び方のポイント
分量の少なさより「区切りやすさ」を重視する
読書が苦手な人ほど「薄い本なら読める」と考えがちですが、実際には1冊の厚みよりも、途中で区切りやすいかどうかが続けやすさを左右します。章が短い本や、1話ごとに完結する連作短編集なら、10分読んで閉じても話の流れを見失いにくく、次に開いたときもすぐ戻れます。最初の数冊は、短編集や連作短編を候補に入れると挫折しにくくなります。目安としては「1日10分で1章、または1話が読める長さ」かどうか。毎日同じ時間に少しずつ読み、1週間ほどで1冊を読み終えるペースを作れれば、それだけで読書は習慣になり始めます。読む時間を「通勤電車に乗ったら」「布団に入ったら」のように普段の行動と結びつけておくと、意識しなくても本を開けるようになります。
会話文が多く、登場人物が少ない本を選ぶ
ページを開いたときに改行や会話文が多い本は、文字の密度が低く、目で追うのがラクです。また、登場人物が少なく、場面があまり飛ばない物語は「この人は誰だっけ」とページを戻る手間が減ります。書店や電子書籍の試し読みで最初の数ページを眺め、会話の量と文章の硬さを確かめてから選ぶのがおすすめです。電子書籍の場合は、試し読みの段階で文字サイズを自分の読みやすい大きさに変えて確認すると、購入後の読み心地をイメージしやすくなります。冒頭で引っかかりを感じたら無理に選ばず、別の本を試すほうが結果的に近道です。
映像化作品は「入り口」として活用する
映画やドラマになった小説は、あらすじや雰囲気をあらかじめつかめるため、読み始めのハードルが下がります。先に映像を観てから原作を読むと、登場人物の顔や舞台が浮かびやすく、細かな心情描写を味わう余裕も生まれます。反対に、原作を先に読んでから映像で答え合わせをする楽しみ方もあり、どちらの順番でも読書のきっかけになります。映像版は上映時間に収めるため、原作から場面や設定が変えられていることも珍しくありません。その違いを探しながら読むのも、原作ならではの楽しみ方の一つです。
受賞作や評判よりも「今の気分」に合うかで選ぶ
有名な賞の受賞作は読みやすいものも多い一方、テーマが重かったり、文体が独特だったりする作品もあります。疲れている時期に重いテーマの本を選ぶと、それだけで手が止まりがちです。「温かい話が読みたい」「少し考えさせられる話がいい」など、今の気分を基準に選ぶほうが、結果として最後まで読み切れることが多いです。また、合わないと感じた本を途中でやめるのも立派な選択です。1冊にこだわって読書から離れてしまうより、次の本に移って「読む時間」そのものを守るほうが、読書を長く続けるうえでは大切です。
読む前に知っておきたいこと
- Kindle版の有無や読み放題の対象は時期によって変わるため、購入前にAmazonの商品ページで確認してください。 同じ作品でも単行本と文庫で出版社が異なる場合があり、電子版の扱いもそれぞれ違うことがあります。
- 電子書籍は文字サイズや行間、背景色を自分好みに変えられます。 紙の本で文字がぎっしり詰まって見えて疲れる人は、Kindleで文字を大きめに設定するだけで、1ページあたりの情報量が減って読みやすく感じられることがあります。
- 紙の本は残りの厚みが目で見えるのが利点です。 「あと少しで読み終わる」という感覚がつかみやすく、達成感を得やすいのは紙ならでは。電子書籍でも進捗の割合や読み終えるまでの目安を表示できる端末やアプリがあるので、自分が励みにしやすいほうを選びましょう。
- オーディオブックとの併用も選択肢です。 作品によっては朗読版が用意されていることがあり、通勤や家事の時間に耳で聴き、続きを目で読むといった組み合わせ方もできます。朗読版の有無は配信サービスごとに異なるので、事前に確認してください。
- シリーズ作品は1作目から読むのが基本です。 『コーヒーが冷めないうちに』のように続編が出ている作品もありますが、まずは1作目だけで楽しめるので、気に入ったら続きを読むくらいの気持ちで十分です。
タイプ別おすすめ
薄くて短い本から始めたい人向け
まずは「1冊を最後まで読み切った」という経験を作りたい人向けです。分量が控えめな作品や、1編ずつ完結する短編集を中心に選びました。文章も比較的平易で、普段あまり本を読まない人でも物語に入りやすい3冊です。
会話が多くテンポよく読みたい人向け
地の文が長く続く本が苦手な人には、会話で物語が進み、1話ごとに区切れる連作短編がおすすめです。少しずつ読んでも話を見失いにくいのが強みです。どれも1つの場所や路線を軸に物語が広がるので、登場人物が入れ替わっても混乱しにくい作りになっています。
映像化作品から入りたい人向け
映画やドラマのほうが親しみやすい人は、映像化された作品を入り口にすると読み始めのハードルが下がります。先に観ても、後から観ても楽しめる2冊です。
シーン別の選び方
- 通勤・通学の電車で読みたい:駅ごとに章が区切られた『阪急電車』や、1話完結の『コーヒーが冷めないうちに』が向いています。降りる駅までに1話読み切れる長さだと、毎回すっきり閉じられます。
- 寝る前の10分だけ読みたい:短い物語が連なる『木曜日にはココアを』や、1編ずつ読める『キッチン』がおすすめ。重すぎない読後感で、そのまま眠りにつきやすい傾向です。
- 週末にまとめて1冊読み切りたい:短めの分量で引き込まれる『コンビニ人間』は、休日の午後に一気に読み切る体験にちょうどよい一冊です。
- 映画を観たあとに原作を読んでみたい:『そして、バトンは渡された』『博士の愛した数式』は映画化されており、映像で知った物語を文章でじっくり味わい直せます。
- 疲れていて目で読むのがつらい日:オーディオブックで朗読版が用意されている作品なら、耳で聴いて物語を進め、余裕のある日に続きを目で読むという併用もできます。
👍 メリット
- 短い本や連作短編なら、1日10分でも話を見失わずに読み進められる
- 会話の多い本は文字の密度が低く、目で追う負担が少ない
- 映像化作品は筋をつかみやすく、読み始めのハードルが下がる
- 電子書籍なら文字サイズや背景色を変えて、自分に合う読みやすさに調整できる
👎 デメリット
- 短い本でもテーマが重い作品はあり、気分に合わないと手が止まりやすい
- 映像を先に観ると、原作の展開を知った状態で読むことになる
- 電子書籍は通知やほかのアプリに気が散りやすく、読書に集中しにくい場面もある
- 作品ごとに電子版や朗読版の有無が異なるため、事前の確認が必要
まとめ
- 読書が苦手な大人は、薄くて短い本・会話が多い本・映像化作品のどれかから始めると挫折しにくい
- まずは1日10分、通勤や寝る前など決まった時間に読むと習慣にしやすい
- 文字が詰まって見えて疲れる人は、Kindleの文字サイズ変更やオーディオブックとの併用で負担を減らせる
- Kindle版の有無や読み放題の対象は変わることがあるため、購入前にAmazonの商品ページで確認する
読書に慣れてきて、次は思いきり心を動かされる物語を読んでみたくなったら、泣ける小説のおすすめ8選で家族・友情・恋愛のテーマ別に名作を紹介しています。
よくある質問
- 読書が苦手でも最初の1冊を読み切るコツは?
- まずは分量が控えめな本や、1話ごとに完結する連作短編集を選ぶのが近道です。そのうえで、最初から1冊を一気に読もうとせず、1日10分や1日1話など小さな目標を決めると続けやすくなります。読む時間を通勤中や寝る前など毎日の行動に結びつけておくと、意識しなくても本を開く習慣がつきやすくなります。読み切れたら、それだけで大きな前進です。
- 1日10分の読書でも意味はある?
- 十分に意味があります。短い時間でも毎日続ければ、1冊を少しずつ読み進められますし、何より「本を読む習慣」そのものが身につきます。10分なら短編集の1話や、章の短い小説の1章ぶんを読める程度の長さで、無理なく区切れるのも利点です。慣れてきて物語に引き込まれたら、自然と読む時間が延びていくことも多いので、最初は短く始めるのがおすすめです。
- Kindleで読むと読書が苦手でも読みやすくなる?
- 人によっては読みやすく感じられます。Kindleなどの電子書籍は文字サイズや行間、背景色を自分好みに変えられるため、紙の本で文字がぎっしり詰まって見えて疲れる人は、文字を大きめにするだけでも負担が減ることがあります。わからない言葉をその場で辞書で調べられる機能も便利です。一方で、スマートフォンでは通知に気が散りやすいので、読書中は通知を切るなどの工夫をするとよいでしょう。
- オーディオブックで聴くのも読書に入る?
- 物語や内容を味わうという意味では、耳で聴くのも立派な読書の一つと考えられます。通勤や家事、散歩の時間に聴けるので、目で読む時間が取れない人にも向いています。耳で聴いて物語の流れをつかみ、気に入った場面は本で読み返すといった併用もできます。ただし、朗読版が用意されているかは作品や配信サービスによって異なるため、聴きたい本があるときは事前に確認してください。
- 映画を先に観てから原作を読んでもいい?
- 問題ありません。映像で物語の筋や登場人物をつかんでおくと、文章を読むときに場面が浮かびやすく、読書が苦手な人には入りやすい方法です。原作には映像では描ききれない心情描写や細かなエピソードが含まれていることも多く、新しい発見を楽しめます。ただし展開を知った状態で読むことになるため、驚きを大切にしたい作品は原作を先に読むのも一つの選び方です。
- 途中でつまらないと感じたらやめてもいい?
- やめても大丈夫です。読書が苦手な人ほど「最後まで読まなければ」と考えて、合わない本で手が止まり、そのまま読書自体から離れてしまいがちです。数十ページ読んでも気分に合わないと感じたら、いったん閉じて別の本に移るほうが、結果として読書を続けやすくなります。時期を変えて読み直すと面白く感じることもあるので、無理せず手元に置いておくくらいの気持ちで構いません。